パプアニューギニア シグリ

 今回は、あまりメジャーでない珈琲。パプアニューギニア シグリです。
来月あたり、この珈琲をお勧め珈琲にしてみましょうかね。

まず、パプアニューギニアってどこ?知ってます?
南太平洋のインドネシアの東、オーストラリアの北に位置するパプアニューギニア。ニューギニア島の東半分がこの国です。日本の約1.2倍の面積があります。
かつてドイツやイギリス、オーストラリア、日本等に占領されていましたが、1975年に独立しました。未だに戦争中の戦車や高射砲などの残骸がたくさん残っています。

最適な生育環境で育つパプアニューギニア・シグリ

第二次世界大戦の前に、ルター派の宣教師によって、この地にコーヒーが持込まれました。
 シグリは、西部高地地方のワギ・バレーに1950年代末に開発された大農園の名前です。
 海抜1,600mの標高と清涼な気候、十分な降水量と豊かな土壌、更には「一日で一年の気候を繰り返す」と言われる激しい気象の変化は、コーヒー生育に理想的な環境です。 この気候風土によりシグリの美味しさが育てられていること言うまでもありません。

種も最適、そして手間も十分かけられたコーヒー

 またシグリの苗は、ブルーマウンテンと同じティピカ種。それに加えて、完熟チェリーだけを手摘み、通常より1日多い4日間をかけた水洗発酵工程、たっぷりと10日間もかけた天日乾燥、完熟豆の2度にわたる卓上手選別などにより、シグリの蒼色と、最高級の風味、品格が出来上がるのです。

説明のいらない満足な味

コク、香り、天日乾燥特有のまろやかな甘味、高級品種固有の適度な酸味が絶妙なバランスとなり、一口飲めば多くの説明はいらないと思います。

ブラジルサントス?2

 映画や本の話ばかり‥そんな事じゃなくて珈琲屋なんだから、珈琲の話を‥とお叱りを受け反省。
 これから、意識的に珈琲の話を書いていきます。(いつまで続くやら?)
 まずは、当店で取り扱っている珈琲を順番に紹介していきます。

 まあ、最初はやはり、世界で一番珈琲の生産の多い国、ブラジルの珈琲から。

ブラジル  サントス?2
 
サントスとは

サントスはブラジルの東南部サンパウロ市から車で1時間半という近くに位置する南米最大の港の名前です。また、世界最大のコーヒー輸出港になります。ブラジル全土から集まり、このサントス港から積み出された豆は麻袋にsantosとスタンプされ、「ブラジル サントス」になります。100年以上前(1908年)から日本人の移民が始まり、彼らが、最初にたどり着いたのも、このサントス港。今では約150万人もの日系人がブラジルに住んでいます。

ブラジル(ブラジル連邦共和国)は、ご存知のように、南アメリカ最大の国で、国土は日本の約23倍。
地域によって寒暖の差はあるものの、年間平均気温24度前後という温暖な気候です。
大規模で陽気な、リオのカーニバルやワールドカップ、オリンピックの開催予定地として注目されており、最近の経済成長は目を見張るものがあります。
世界一のコーヒーの生産国として有名ですが、経済発展と共にコーヒーの消費量も急速に増え、ここ数年で日本の消費量を上回って、世界第三位のコーヒー消費国になりました。

No.2は生豆の等級を表します。ブラジルでは欠点豆の混入量によって、厳格に等級を分けています。300gの生豆サンプル中に欠点豆4個以内のものをNo.2と評価します。欠点豆0は、ほぼあり得ない話なので、ブラジルではNo.1グレードを設けず、No.2を最上級とし、?8までランク分けしています。おもしろい考え方ですね。

一方、SCAA(アメリカスペシャルティコーヒー協会)が提唱している味覚の基準とした、SCAAカッピングジャッジフォームでは、このカッピング方式で最低75点は確保しているプレミアムグレード商品に位置しており、欠点豆混入率はサントスNo.2以下、そして独特のチョコレート・フレーバーも備えています。当店のブラジル サンターナコロナは、そこに位置します。

サントスの特徴

ブラジルコーヒーの特徴は一口に言えば、ほどよい酸味と苦味、香りが高いことといえることでしょう。また、まろやかなテイストと薫り高く、品質も高水準を維持でき、価格もリーズナブルで信頼性の高いコーヒーです。マイルド系のコーヒーとして日本では古くから親しまれています。

男性差別

 10月1日は「珈琲の日」。
珈琲の年度は、10月1日から翌年9月30日となっている。同じ2012年でも、9月30日に出荷された珈琲豆は、2012年度の豆で10月1日のものが、2013年度の豆になる。
 そんなことは、どうでもいいのだけど‥‥
 今日、珈琲業者が持ってきたポスター「10月1日はコーヒーの日。女性にコーヒーブレイクを贈る日」と言うのはよくわからない。(わからないまま店に貼る主体性のなさ、トホホ)
 最近は、映画館でも女性割引の日?があって女性の入場料が安くなったり、電車も女性専用車両があったり、いろいろなところでレディスディ割引があるし‥
 これって逆差別では?まあ、男には、わからない差別が日常的にあるのかもしれないけど、オリンピックも全種目男女行われているのだから、平等にしてほしい。‥まあ、自由に使える金を持っていない男をターゲットにしないビジネス戦略がわからないでもないが‥。

  

スペシャルティとシングルオリジン

 久々に珈琲の話。マニアックな話です。
エカワコーヒーさんのブログを読んでいて、思い出した。
スペシャルティコーヒー表示についての曖昧さだ。
最高級と言われるスペシャルティコーヒー。しかし、定義は曖昧だ。
当店で無印となっている珈琲豆とまったく同じ珈琲豆が、他店ではスペシャルティコーヒー表示で売られている。
 消費者としては、無印で100g400円の珈琲豆を買うより、スペシャルティコーヒー100gを800円で買う方が得をした気分になる。価格差が少なければ尚更だ。実はまったく同じ商品なのに。
 逆に、オーガニック表示は、厳しい規程がある。たとえ、完全無農薬・有機栽培されていてもオーガニック表示できない。農水相が栽培地・栽培方法を無農薬・有機栽培と確認しても表示できない。栽培だけでなく、保管や焙煎方法まで厳しい規程がある。
 一方、シングルオリジン(=シングルソース:単一生産地)の定義も明確だ。トレーサビリティ(生産者・生産園地確認)ができていて、混ぜもの(他の生産園地のものの混入)なしならシングルオリジンになる。
 日本では、シングルオリジンとスペシャルティが混同されている。早く明確な基準で差別化しないと、コーヒー後進国に転落する。
 

フェイバレットカフェとアロマプレスパック

 昨日の定休日、パティシエ君と店内で食事をしていて、岩出のフェイバレットカフェの話になった。彼はケーキが、私はコーヒーの保存袋が(何で袋?)気になって行くことに。
 男2人でケーキセットを‥。パウンドケーキのキメの細かさに感心。ジェラードも、やはり素人の手作りレベルではない。‥らしい。
 と、マスターがわざわざテーブルまで挨拶にきてくれた。この丁寧さは見習いたい。と言いつつ1時間でいつも忘れる。
 私が気になったコーヒーの保存袋が、カウンターにあったので見せていただく。おお、 ニコノスのアロマプレスパックだ。
 そうパティシエ君と昼、コーヒーの品質をなるべく下げない保存袋の話をしていて、真空パックの問題点とともに、アロマプレスパックが最適だろうと言っていた。
 で、ウチの他に、和歌山でアロマプレスパックを使っている店があるか‥と考えて、もしかしたらと頭に浮かんだのがフェィバレットカフェだった。
 会計を済ませて帰ろうとしたら、オーナーの奥さんが、丁寧に挨拶してくれた。この丁寧さは見習いたい。と言いつつ1時間でいつも忘れる。学習能力ないなぁ。
 
※アロマプレスパック  珈琲豆は焙煎すると数日間、二酸化炭素を出し続ける。また、空気中の水分や酸素を吸い込み劣化しやすくなる。そのため、袋内の空気(二酸化炭素)を外にだすが、外部の空気(酸素や水蒸気など)を中に入れない工夫がいる。それを実現できるのが、ニコノスのアロマプレスパック。

  

 

インドネシア カロシ シーズン2

(前回からの続き)2度焼きとは、焙煎した珈琲豆をもう一度、焙煎すること。
伝統的な珈琲焙煎職人からは、忌み嫌われ、タブーとされる焙煎方法だ。
 しかし、私はタブーを恐れない男。だから挑戦した。(本当は、これしかなかったから‥トホホ)
 さて、昨日2度焼きした、インドネシア カロシ。うん、いい色に仕上がってる。早速、挽いて‥あれ?香りが‥‥薄い。そうそう、これが2度焼きがタブーとされる理由のひとつ。香りがうすくなる。そうだ落ち着け、セオリーどおりだ。想定内!と自分に言い聞かせる。
 で、味は‥‥‥うん、トラジャとは‥やっぱ‥ちょっと違う。同じ、和歌山県でも和歌山市内と高野山と白浜のサファリパークでは、雰囲気がちょっと違うのと同じか。
 でも、鼻に抜ける独特の香りは‥‥ちょっと違うか?いや、まあ誤差の範囲?
 やはり、もう一度、焙煎からやり直して確かめたほうがいいな。と言う訳で、シーズン3に続く。

      

 

インドネシア カロシ

 トラジャが当面入らないとのことなので、代替のインドネシア カロシの試飲を。
 生豆は、見た感じトラジャには程遠い。マンデリンのようにちょっと雑。豆の大きさも大中小‥オイオイ。
 焙煎してみると、当然の結果ではあるが、ムラが‥。うーん大丈夫か?しかし、人は見た目で判断してはいけない。(人ではないが‥)
 すべての先入観を捨てて、ちゃんと試飲用のスプーンで飲んでみる。えー?やっぱトラジャとはだいぶ違う。どちらかというと中南米系のソフトで少し酸味を感じさせる味。でも、これはこれでいいかも。
 いやいや、代替になるかどうかが大事なので、焙煎もう少し強くして再チャレンジしてみよう。

 ん?あれ? し、し、しまった! サンプル全部焙煎してしまったんだ。
 ああ、この世には神も仏もないのか! いや、私はもともと無神論者だったし、これは完全に自分のミスだ。
 こうなったら、しかたがない。一子相伝の必殺技を使うしかない。しかし、これはあまりにも危険だ。
 いいのか。と自分に改めて問う。‥‥いいです。簡単に答えはでる。
 そう、二度焼きをやる。
 結果は‥次回のお楽しみ。

    

内幕

 久々に珈琲の話。
 あるコーヒーチェーン店のコーヒーについていろいろな方の意見が違うので、一度飲みに行かなくては‥‥とズーと考えていた。
 「けっこういける」「まあ、おいしいよ」と言う人がいる反面、「あんなのはコーヒーじゃない」「ファミレスのお代わり自由と同じ」と否定的な意見も‥。やはり自分の舌と鼻で確かめなければ‥。しかし、何回か行ったけど満席で入れなかった。ますます確かめたい。
 以前、ウチの店でバイトしていた女の子も「おいしい」と言ってた。

 ところが、今日きたお客さんによれば、やはりファミレスのお代わり自由と同じだとのこと。実はこの方、他県のそのチェーン店で働いたことがあるそうで‥内幕を記した本もあると紹介してくれた。
 その本にはファミレスのお代わり自由として書かれているが、内容は同じとの事。ネットで探したらあった。

(以下「食品のからくり」別冊宝島編集部編より一部引用)
実は、ある食品添加物を使うと、コーヒー豆の粉から通常の3倍弱はとれるのです。普通、ファミリーレストランではコーヒー豆の粉を
10kg単位で購入しています。
通常コーヒー豆の粉10kgから1,000杯のコーヒーがとれるので、
その3倍の3,000杯のコーヒーがとれる勘定です。
使われる食品添加物というのが「リン酸塩」です。
これを増量剤として食品添加物に混ぜるのです。
そうするとリン酸塩の抽出作用で、コーヒーが何倍も作り出せるのです。
ところが、何倍も作ることができる代わりに、
コーヒー独特の苦味と香りがなくなってしまいます。
そこで、また食品添加物の助けを借りることとなります。
どのような食品添加物が使われているのでしょうか?
コーヒー香料として、
・酢酸ベンジル
・ジメチルチオエーテル
・B-ナフトールエチルエーテル
などの合成香料です。

また、これらの合成香料をミックスしたコーヒー苦味量という
便利な製品も販売されています。
さらに、こうした食品添加物で増量するやり方のほかに、
コーヒー豆の代わりにチコリーの値(原文のまま)を使った
おかわり自由の「コーヒーもどき」もありますから、
ビックリ仰天です。
(引用終り)

うーん、本当だとしたら恐ろしい。ファミレスでコーヒーを飲むことはなかったけど、一度飲んでみよう。そして、そのチェーン店でも飲んでみよう。
※引用した原文のチコリーの値は、チコリの根と思われる。違ってたらすみません。

   
写真は本文と無関係です

6月セミナー

 6月のセミナーは2本立て。
通常の珈琲の基礎知識とホットコーヒーの淹れ方は、6月19日(火)。
午後1時半~と午後6時半~の2回。
そして、アイスコーヒーの淹れ方は、6月26日(火)。
同じく、午後1時半~と午後6時半~の2回。 
会場は当店。参加費は2100円。事前申込み制で申込みは、よみうり文化センターまで‥電話 073-428-2540。

 初夏の開催です。あなたは、暑くてもホットコーヒー?暑いからアイスコーヒー?

 両方とも、前半は珈琲の基礎知識の講習。後半は淹れ方の実践。

コーヒー1杯の値段

コーヒー1杯の値段は、どう決まるか?
コーヒー屋や飲食店、関連業種の方以外は、たぶんあまり関心ないでしょう。
いや、その当事者の中でも、なんとなく、他の店に合わせて、このくらいなら‥と言う方もいるでしょう。

 

実は、まず一定期間に想定される客数での必要経費(減価償却含む)をだします。家賃や水道光熱費、材料費、人件費、消耗品、備品代、広告代‥‥それを客数で割り、1杯の最低料金を決めます。これが基本。
もちろん、これでは1杯千円以上のコーヒーが必要になる場合もあるでしょう。しかし、これでは、お客さんが来ませんから価格調整がいります。また客数は大きく変動しますから計算どおりにはいきません。ライバル店などの相場も考慮する必要があります。
地域により経費も変わりますから、価格も変動します。和歌山市周辺では、コーヒーは1杯300円~450円くらいが相場でしょうか。
今日、ある珈琲店のマスターが来たので、話していると、コーヒーの値段を上げる店が増えていると言ってました。もちろん、珈琲豆が昨年大幅に上がったことが原因だそうです。
で、彼が言うには「(GreenBeansも)上げたほうがいい」です。
もちろん、経費が上がっているのですから、上げるべきでしょうし、お客さんも納得してくれるでしょう。
しかし、彼の真意はそうではなかったのです。
「安いとクオリティが低いイメージにつながる」と言うのです。

その話を聞いて、サラリーマン時代に聞いたあるセミナーの話を思い出した。
外国のある化粧品メーカーが画期的な化粧品を低価格で販売し始めた。キャンペーンも大々的に行った。しかし、その商品はまったく売れなかった。
困った経営陣がコンサルタントに相談すると、3ヵ月後には、生産が追いつかないほど売れはじめた。
実は、その化粧品の外ケースをプラスティックからガラスに変え、商品名を変えた。中身は同じ。そして、販売価格を3倍にした。それだけ。
つまり、どんなにいいものでも、安い価格の商品には消費者は魅力を感じない。

なるほど。しかし、価格変更すべきか?ハムレットのように悩む今日、このごろです。