ブルーマウンテンが‥

コーヒーの女王と呼ばれるジャマイカ ブルーマウンテン。品薄続きで、価格の高騰も‥とは、前から言われてましたが。
ついに、ノンデリバリー(契約不履行)で現地から入荷しないとの事。日本の商社にも在庫はわずか。来期入荷は、来年春の予定。
え?コーヒーシーズン(秋~冬)にブルマンなし?

ブルーマウンテンは、ジャマイカのブルーマウンテン地域で栽培された珈琲豆で、大きさ、形(欠点豆)、香味で、?1からランクされます。
ブルーマウンテン?1を飲んだことがある方ならご存知の、あの独特の飲み終えた後のうっとりするような甘み。いいですね。
これは、文学的才能のない私には文字で表せません。
日本人の絶妙な味覚に十分応えるコーヒーとして、昔から高級コーヒーとして有名です。しかし、ニセモノも多く出回っています。

珈琲豆は、植物の種ですから、自然環境の影響をモロに受けます。昨今の異常気象は、珈琲豆にとって受難です。
ブルーマウンテンの減産の大きな原因は、ハリケーン被害ですが、それ以外に、病気(サビ病)の蔓延、害虫被害があり、それらによって生産者の一部は、農園のメンテナンスを怠ったり、放棄する事態も生まれ、更に減産が進んでいます。
すでに、日本への入荷量も、2000年度には1551トンあったものが、今年2014年度には280トンと2割以下に減少しています。

すでに、販売休止している業者もいますし、価格を大幅に上げるところも出てきています。ブルーマウンテンファンの方はお早めに。当店の在庫も残り少なくなっています。現在の在庫がなくなり次第、販売停止になると思われます。(再入荷できても価格はかなり上がります)

  

ゲイシャの話

ゲイシャの話。(その1)
「??芸者とコーヒーになんの関連が?」
いえ、これは珈琲の一種のゲイシャ種の話です。

珈琲豆は植物の種です。そしてこの植物(コーヒーノキ)は、大きく分けて3種類。(詳しくは2013.1.15~付参照)
その中でも、アラビカ種は、デリケートな香味を出し、グルメコーヒーに使われます。アラビカ種は、また10種類以上に分けられますが、ゲイシャ種はそのひとつ。

アラビカ種は元来、病害虫にも気候変動にも弱い種類です。中でもゲイシャ種は弱い。根があまり張らないため育てにくい。しかし、抜群の香味は昔から定評がありました。
もともとは、エチオピアのゲシャ地域で樹生していたものが、いろいろな国に運ばれ、栽培されました。ですから、ゲイシャではなく、ゲシャが正しいのですが、今ではゲイシャが通称です。
私が初めて、ゲイシャの名前を聞いたのは、マラウィ産(アフリカ)でした。今では、中米、特にパナマ産が有名です。

生産性も悪く、すぐにダメになるこのゲイシャを、根気強く作り続けたのが、パナマのエスメラルダ農園。
消費者が、コーヒーの香味に興味を持ち始めるのが、十数年ほど前。そして、各地でコーヒーの香味によるコンクールが開催されるのも十年ほど前から。
ゲイシャは、コンクールで圧倒的な強さを見せます。まるで、中学校の運動会の徒競走にウサインボルトが参加したように。

 

シャングリラガーデン

 昨日(5/17)、紀の川市のシャングリラガーデンを訪れました。
広い敷地にバラ園、温室、コンサート用の建物。これが、個人の家とは…
お目当ては、温室のコーヒーの樹。和歌山県で珈琲の実ができるとは、すごい。
 3月に、自家栽培の珈琲豆を持ってきていただいたので、ガーデンコンサートが行われた昨日、訪問しました。
 温室内には、コーヒーの樹の他に、パパイヤ、マンゴ、バナナも…温室内の暖房費だけで月に40万円かかっているとは…趣味の域を超えてます。
 コーヒーの樹の実は、ほとんど落ちてしまっていましたが、樹が元気なので、来年また期待できそうです。
 コンサートも、バラも、珈琲の樹もとても良かったです。帰りにはバラの花で作ったジャムまでいただきました。

  

フレグランス、アロマ、フレーバー

香りの話

 フレグランス、アロマ、フレーバー。一般的に日本語では、「香り」。あるいは広く「臭い」ですね。
 でも、珈琲の世界では、フレグランス、アロマ、フレーバーは、分けて考えられています。
 珈琲の豆を焼いた(焙煎)時やミルで粉砕したときに、感じるいい香り、ホントにいいですよね。これがフレグランス。
 淹れたコーヒーから漂う香り。これがアロマ。
 そして、コーヒーを口に含んだときに、口の中から鼻に抜ける香り。これがフレーバーです。
 たとえば、同業者の方が、お店にみえると何も言わなくても同業者だとわかります。
 一般の方とは、飲み方が違います。コーヒーを飲むときに、まず、鼻をコーヒーカップに近づけてアロマを十分に確認し、それから少量を口に含み、口の中全体にコーヒーを広げてフレーバーを確認しています(見えるわけではありませんが、仕草で)から、すぐに「あ、コーヒー関係の方だな」とわかります。

※この区別は、珈琲業界だけの話で学術的に正確かどうかは保障しませんのであしからず。

和歌山産珈琲

珈琲豆は通常、コーヒーベルトと言われる赤道の周囲で、栽培されますが、それ以外の場所でも、栽培に挑戦している方はいます。
 今日は、岩出市(和歌山県)で、珈琲豆を栽培している方が、お店に栽培した珈琲豆を持ってきてくれました。
 約200gを店の焙煎機で焙煎して、その方と店のスタッフと飲んでみましたが‥‥意外においしい。
 今まで、国内で作られた珈琲を何度か飲んだことがありますが、これは、今までで一番おいしかった。
 持参していただいた方のお話を聞くと、元々は奥様がバラを育てるための温室の一角で、珈琲の樹の苗を育ててみると、どんどん成長して温室の天井に届きそうにまでなり、何度か上をカットしていると、花が咲き、実がなり、完熟したので、実を摘んで豆を洗って置いていたそうです。
 焙煎の仕方がわからなかったので、当店に持ち込んだとの事。樹の枝も持ってきていただきました。一部、熟しています。
 私も栽培にも、関心があり、詳しくお話を聞きましたが、温室の暖房代だけで、月に40万円かかると聞いてあきらめました。

 

珈琲豆の焙煎【概要 その2】

 珈琲豆に熱を加えると、香ばしい香りがしてきます。そして豆の色は薄い緑白色から、こげ茶色に変わってきます。
 しかし、変化はそれだけではありません。
下の写真を見ていただくと分かると思いますが、豆が大きくなっています。この変化については後日詳しく述べますが、大きくなること(中に無数の小さな空洞ができる)によって粉砕(ミルで挽く)ができるようになります。
 生豆は硬く、小石のようです。しかし焙煎すると親指と人差し指で挟んで力を入れると砕けます。
 焙煎した珈琲豆にチョコレートをコーティングしたものが販売されていますが、生の豆では硬くて食べることはできません。
 また、焙煎することによって豆の成分も変化します。あの香ばしい香りや珈琲の苦味、酸味、甘みが楽しめるのはそのためです。

アイスコーヒーの話 その3

アイスコーヒーのつくり方具体例(ペーパードリップ 急冷法)

1.珈琲豆は、苦味のあるコクの強いものを選び、深煎りしたものを使う※。
2.通常よりも大目の量(1.5~2倍)の豆を使う。
3.通常より細かめに挽く(細挽き)
4.通常よりゆっくりお湯をかけて淹れる。
5.淹れ終わったら、すぐに大き目の氷をサーバーに数個入れて、4~5回、サーバーを回して冷やす。
6.すぐに氷を入れたグラスに注いで、できあがり。

 コツは淹れるときは、ゆっくり、冷やすときは手早くです。

※珈琲豆は、アイスコーヒー用と指定する必要があります。当店の豆なら「ロブブレンド」が適正です。

アイスコーヒーの話 その2

アイスコーヒーのつくり方には大きく分けて(極めて大雑把に)、3種類あります。
 1.急冷法
 2.ゆっくり冷やす方法
 3.その他

 1.の急冷法は、当店でも行っている方法で、多くのコーヒー専門店でも行っています。
 簡単に言うと、(詳しくは次回)通常のコーヒーより濃いコーヒーを淹れ、氷で急速に冷やします。
 なぜ、濃いコーヒーを使うかと言うと、第一に人間の味覚は温度の低いものについては、鈍感になるからです。同じ濃さのコーヒーでも通常の温かいコーヒーに比べ、コーヒーの味を感じにくくなります。
 第二に、直接、氷を使ってコーヒーを急激に冷やす場合、氷が溶けて、その分、薄くなります。そのため、濃いコーヒーを使用しなくてはなりません。
 そして、なぜ急冷なのかと言うと、コーヒーの香り(特に口から鼻に抜ける)を残すためです。ゆっくり冷やすと香りはどうしても逃げてしまいます。

 2.のゆっくり冷やす方法にはいろいろあります。水出しコーヒー(※ダッチコーヒー)もその一つです。お湯を使わず、水でゆっくりコーヒーを淹れる方法です。他には、少し濃い目のコーヒーを大量に作り、冷蔵庫内でゆっくり冷やす方法です。中には、氷水にサーバーを入れて冷やすお店もありました。

 3.のその他は、いろいろです。よくチェーン店ではコンクのアイスコーヒーを、少し水で薄めて氷を入れて出したりしてました。中には日持ちさせるため糖分を加えているところもありますね。私がびっくりしたのは、大阪のある店で、市販の紙パックのアイスコーヒーをグラスに移して氷を浮かべて出している見たときです。これも、その他でしょう。他にもいろいろあると思いますが、思い出せません。

 ※ダッチはオランダ人を差別した言葉なので、最近は、あまり使いません。ダッチワイフ、ダッチロール、ダッチビジネスなど、悪い言葉によく使われます。

アイスコーヒーの話 その1

 日中は半袖で歩く若者たちも目に入ります。
 当店でも、珈琲好きの常連さん達を除くと8割がアイスコーヒーのオーダーになっています。
 ところで、コーヒーの歴史は長いのですが、アイスコーヒーの歴史が意外に短いって知ってました?コーヒー自体は数千年の歴史を持ち、一説によれば有史以前から、なんらかの形で飲まれていたのでは‥と言われています。
 ところが、アイスコーヒーが一般化したのは、まだここ20年位と言われます。
 え?もっと前から飲んでた?そうですね。日本では結構、前から置いてる喫茶店もありました。外国でも文献を調べると200年くらい前に飲んでいる記録はあります。
 しかし、コーヒーは温かい(熱い)もの。と言うのが長年の常識で、日本の喫茶店にあるアイスコーヒーは、外国人からは奇異な目で見られました。
 「(夏は)暑いから、コーヒーを冷やして飲んで何が悪い」「じゃあ、日本人はミソスープ(味噌汁)を夏は冷やして飲むのか」といったやり取りが、あったとか、なかったとか。
 実は、コーヒーチェーン店の戦略がアイスコーヒーを一般化しました。暑い時期にはコーヒーの売上が伸び悩む、これを打開したい、では冷たいコーヒーを売ろう。となったのです。
 今では、世界中でアイスコーヒーが1年中飲まれています。これもグローバル化のなせる業でしょうか。
           (face book コーヒーの豆知識 GreenBeansより)

お土産

 お客さんからお土産をいただきました。
「ハワイコナ」のブレンド。実は、かなりコーヒー好きのお客さん。
以前、私がハワイコナの高級品はおいしいいけど、お土産用のものはダメです。と言い切っていたのを「いや、お土産用でもおいしいものはある」と反論をいただいたのですが‥。
 たぶん、GWにハワイに行かれて買ってこられたのでしょう。
 「飲んでみて!」と挑戦状をいただきました。
 まず、ブレンドか‥うーん。まあ、淹れてみよう。
 お、膨らまないまでも、泡が出る。まだ鮮度はいいんだ。
 で、飲んでみる。
 あっ、‥甘い。なるほど、大量生産でおみやげ物屋に山積みされているものとは、たしかに違う。うーん失礼しました。そしてありがとうございました。