今回もfacebook「珈琲の豆知識GreenBeans」からの編集転記です。
いや、けっして手抜きではないのですよ。いや、ホント‥ん?
よく見かけるブルーマウンテン?1、グァテマラSHB、この?1とかSHBは、豆のランク(グレード)なんですが、どうちがうのでしょう。
珈琲豆のランク付け。これは実は、複雑な問題なんです。
自動車なら◎グレードは△グレードよりランクが高く、内装や装備が充実していて価格も高い‥とわかりやすいのですが。
珈琲豆は、各国で、そのランク(グレード)基準が異なり、また同じ国で基準が2つあったりと複雑です。主なランク基準は、?栽培された標高 ?豆の大きさ ?欠点豆(物)の数 ?香味等になります。
消費者からすれば、香味が一番大事ですが、栽培する側は最近まで、あまり気にしませんでした。消費者も、コロンビアがいい、モカがいいとは言いましたが、そのランクは気にしませんでした。おいしいコーヒーを求めるようになったのは、ここ20年くらいですから。
最近は大会で優秀な香味をもつコーヒーと認定されれば、高値がつきますから生産者も努力し差別化できるようになり、農園や生産者の名前を豆につけて差別化を図っていますが、これも自動車のように毎年同じものが生産されるとはならないので、年度によってブレがあったり、同じ農園でも標高差や日当たりで「出来」が違ったりします。
さて前置きが長くなりました。具体的な主な各国のランクの話に入りましょう。
中米のグァテマラでは、標高によってランクが付けられます。アラビカ種の珈琲豆は一般に標高が高いほどおいしいとされます。そのため、ランクも標高で分けています。
※以下、正確を期すため自分のノートを参考にしますが、間違っていたら指摘ください。
SHB(Stlictly Hard Bean) は、標高1400m以上
HB(Hard Bean) は、1200m以上
SH(Semi Hard Bean) は、1100m以上
で栽培された珈琲豆となります。
標高でランク付けする国でも、その国によって少し基準や標記が異なります。
同じ中米のコスタリカでは、
SHB(Stlictly Hard Bean) は、標高1200m以上
GHB(Good Hard Bean) は、標高1000m以上
HB(Hard Bean) は、800m以上
ホンジュラスでは、
SHG(Stlictly High Grewn) が1200m以上
HG(High Grewn) が900m以上
メキシコでは、
アルツーラ Altura が 1000m以上
PW(Prime Washed) が 700m以上
などです。
?の豆の大きさによるランクは、どの国でどのように決められるのでしょう。これもバラバラです。
多くは、スクリーンという網目の大きさで分けられます。1/64インチ(0.4ミリ弱)を基準として、スクリーン(以下S)17なら17/64インチ(※6.6ミリ強)となります。 ※本によっては6.8ミリと書いてあるばあいもあります。
たとえば、標高でもランクのあるグァテマラでは、S17以上がAA、S15以上がAB となります。
ケニアでは、S18以上がAA、S15以上がAB となります。
コロンビアでは、S17以上がスプレモ、S14以上がエクセルソです。
?の欠点豆(物)の数は1ポンド(約453g)の珈琲豆の中に、石や木片、珈琲豆でも腐敗したり、虫食いが激しいものなど商品価値の無い物の数で分けられます。
収穫、精製された珈琲豆のどの部分を測りとるかで差がでそうですが、統計的には、おおよそ正確なのだそうです。
世界一の生産量をほこるブラジルでは、この方法で分類されます。そしてブラジルらしい面白さがあります。通常は欠点の少ないほうから順にランクをつけるので、一番は?1などですが、ブラジルの場合、?2~になります。?1がありません。それは、世の中に完璧なものはないという考え方からきているようです。
以前、「俺はブラジル?1が好きだ」と言う方がいましたが、勘違いか間違った表記の豆を買われたのでしょう。
ブラジルでは、1ポンド当たり、欠点が4以下が?2、8以下が?3、26以下が?4と言うように?9まで分けられます。
そして、これらのランクを組み合わせたランクもあります。
たとえば、珈琲の女王といわれるブルーマウンテン。このブルーマウンテンの名前は、ジャマイカの法律で決められたブルーマウンテン地域で栽培されたこと、そしてスクリーンが17-19であり、欠点が3%以下、更に水分含有量が10-12.5%であって、国家資格のある検査官が、香りや酸味など6項目をチェックして、?1と表記されるものは3割程度に絞られます。?4まで分類されています。
今、害虫被害でたいへんな、ハワイコナも複数のランクが組み合わされています。最高級のエクストラファンシーは、スクリーン19以上で、水分含有量が9-12%、欠点が10以下となっています。以下、ファンシー、?1、セレクト、プライムとランクされています。害虫被害で欠点が増え、エクストラファンシーは壊滅状態ですが、お土産品などのランクの低いものがあまり影響がないのはそのためです。
このように国により、長い間、基準がバラバラで消費者にとってはわかりにくい複雑なものですので、最近は統一した基準作りが必要との動きが出てきています。特に栽培地域や豆の大きさより、香味を重視すべきとの声がでてきています。
これがスペシャリティコーヒーの認定の動きですが、実はこれもまだ基準が不明確です。たとえば、当店で通常販売している珈琲豆とまったく同じものが他店でスペシャリティ表示になっていたりする事がよくあり、びっくりしています。
中には、トレーサビリティ(生産者確認)できるだけで、スペシャリティ表示されているものもあります。
客観的で、明確な基準作りが求められます。
(facebook 珈琲の豆知識GreenBeansより編集転記)