ハワイコナ そして 困った奴ら

 ハワイに行ったことのある人や友人・知人がハワイに行ったことがあれば、コナコーヒーの名前は聞いたことがあると思います。
 珈琲豆は、その生育する気象条件のために、一般に発展途上国で収穫されるのですが、ハワイ諸島は、ご存知のようにアメリカ合衆国の州です。

 ハワイ諸島の中で「ビッグアイランド」の愛称で親しまれているハワイ島。そのハワイ島の西部コーヒー農園が広がるコナ地区がハワイコナの生産地です。
 当店で取り扱っているエクストラファンシーはその中でも最高級品です。   有機農法、手作りの為、世界のコーヒ総生産量の1パーセント以下でしかなく、一般的には他の種類の豆 とコナ産の豆 10% 程度割合でブレンドされて販売されているのが実情です。 
              
 ハワイ島にある3つの火山の活発な噴火活動により、コナ地区の土壌は、肥沃で、水はけが良く、日中に降り注ぐ南国の太陽と適度な降水量、さらに昼間の暖かい海風と夜の冷たい山風などの自然環境は、まさにコーヒー栽培に理想的とされる条件が全てそろっているのです。 
 ハワイコナは1818年に苗が移植されて以来、ティピカ種100%が守られ続けられてきています。
 マウナロア山の豊かな火山性土壌、コーヒーの木を強い陽射しから守る午後の雲、十分な降水量、強い風からコーヒーの木を守る防風林。これらの組み合わせが、最上の味と香りを持つコーヒー豆を栽培するにふさわしい完璧な環境を作り出しています。
 ハワイ州政府の厳密な規格管理のもとで精製された、見栄えの良い大粒な豆は、芳醇な香り、苦味の少ない独特な酸味と甘味を持っています。
 しかし、今、ハワイコナは、ベリーボーラーという虫の大発生によって大打撃を受けています。珈琲の実の中に卵を産みつけ、孵化した虫はコーヒーの種(珈琲豆)も食べてしまいます。
 虫(ベリーボーラー)に味覚があるかどうかはわかりませんが、同じコナコーヒーでも高級品から被害にあっているようで、エクストラファンシーは、ほぼ壊滅的被害と聞いています。今後、品薄・高価格はさけられません。

 害虫は人間にとって害があるので、害虫と呼ばれます。しかし、その困った奴ら(害虫)も生態系の中では必要なものです。
 たとえば、バッタ。大発生して農作物を一気に食い尽くす彼らは、農業関係者以外からも害虫として嫌われます。
 しかし、そのバッタは、他の病原菌を運ぶ虫を食べ、バッタの糞は農作物の栄養源として重宝され、バッタ自身も家畜のエサになっています。

 人間でも、空気を読まず喋り捲る人、年がら年中ぼやいている人、やたらプライドの高い人、サボってばかりの人‥‥そんな人たちもきっと、この社会の中では必要とされているのでしょう。排除や敵対・イジメの論理ではなく、感情を抑えて、共存共栄できる工夫や配慮が必要なのでしょう。