コーヒーと健康

(facebook を していない方から依頼があったため、こちらにもfacebookに載せた内容を一部編集して再録します)
 珈琲が健康にいいと雑誌や新聞、テレビでチョクチョク取り上げられています。私が見聞きしたものだと‥(あっ、途中までしか読まない方は、ここで止めてください。最後まで読んでいただける方のみ読み続けてください)

 1.ダイエットにいい。カフェインが余計な脂肪を、脂肪酸として血液中に逃がし、エネルギーに代える。
 2.ガンの予防効果がある。クロロゲン酸の効酸化作用で大腸がん、直腸がんをはじめ消化器がんの予防になる。
 3.HDL(善玉)コレストロールを増やし、動脈硬化を防ぐ
 4.クロロゲン酸が血糖値の上昇を予防し、糖尿病になるのを防ぐ。
 5.カフェインが知覚作用を活発化させ、眠気や疲労感を取り、思考力を強化する。
 6.コーヒーの苦味、酸味と香りが耳下腺を刺激し、自律神経のバランス感覚を維持する。
 7.カフェインに利尿作用があり、体内の毒物を排泄しやすくする。

 他にもあるかも知れません。また、すでに否定されたものもあるかもしれません。しかし、いずれも、コーヒー屋のオヤジが、グダグタ言ってるものではなく、公的な研究機関や大学で専門家が研究データーや統計データーから公表されたものです。
 ですが、これらの見解を鵜呑みにすることは危険です。
たとえば、以前にも言いましたが、ダイエットにいいと言っても砂糖やミルクを入れたコーヒーを飲み続ければ逆効果です。
 クロロゲン酸の効用はたしかにその通りですが、クロロゲン酸は熱に弱く、分解しやすいので、深煎りしたコーヒーには、ほとんど残りません。
 カフェインも深煎りすればするほど減ります。ですから通常のコーヒーよりエスプレッソコーヒーのほうがカフェインは少なくなります。
 利尿作用も、アルコールのような水溶性のものなら効果はありますが、他の毒物にどれだけ効果があるかは疑問です。
 また他の効用をうたったものも統計調査が根拠とされます。まったく効果のない人もいるわけです。
 かつては、コーヒーは健康に悪いと言われました。特に胃を悪くするなどと言われ、今でも医師の一部では通説になっています。子どもに飲ませてはいけない、1日何杯以上飲むとよくないとも言われました。
 それらも一定の研究結果が根拠になっていました。しかし、胃に悪いというのは統計的な調査で、コーヒーをたくさん飲む人に胃が悪い人が多いというのが根拠でした。しかし、後で検証すると実際は、当時、コーヒーを飲む人はタバコを吸う人が多く、その統計に根拠がなくなり、タバコの害が胃に影響していたことが報告されました。
 ですから、マスコミがセンセーショナルに取り上げる効用については、その根拠となる学説やデーターを見極める必要があります。

(facebook「珈琲の豆知識」に3/8に掲載したものを一部編集しました)

シミ予防にコーヒー

 今日(11/22)の毎日新聞朝刊に「コーヒーにシミ防止効果」という記事があった。御茶の水女子大大学院の教授らの研究とのこと。
 コーヒーに含まれるポリフェノール(クロロゲン酸)の効用で、1日2杯以上、コーヒーを飲む女性は、他の女性に比べてシミが少なかったというものらしい。
 この記事では、後半に糖尿病の予防にもコーヒーが有用との研究を紹介している。
 いつも、こういうコーヒーの効用を謳った記事や文章を読む時に思うのだけど、不十分さがある。
 まず、ポリフェノール(クロロゲン酸)の効用だけど、ポリフェノールは熱に弱い。数年前に流行ったような真っ黒に深煎りした珈琲豆にポリフェノールが残るとは思えない。浅煎りでないと効果はあまりないのでは‥と思う。
 糖尿病についても、「コーヒーを飲む」と言っても、約半数の人は、未だに砂糖かミルクをコーヒーに入れて飲む。(両方の人もいる)
 砂糖やミルクの害を考えれば、ブラックで飲まないと意味がない。
 この記事を読んだ人が、そこまで考えていれば問題はないが、やはり不親切だ。

 

カフェインアレルギー

 日本人には、まったくお酒の飲めない人がいます。私の知っている人だけでも10人近くは、まったくお酒が飲めません。
 一方、コーヒーや紅茶は、好きじゃないと言う人はいても、カフェインが駄目だから‥と言う人とは会ったことがありません。
 しかし、欧米人は逆で、カフェインが駄目な人が多い反面、アルコールが駄目と言う人は、僅かなようです。
 そのため、欧米では、デカフェ(カフェインの含有量が非常に少ないコーヒー)が多く出回っています。コーヒーの1割は、デカフェなんだそうです。
 カフェインには、脂肪燃焼作用や利尿作用、強心作用など多くの利点がありますが、まったく受け付けない人には毒でしかありません。
 しかし、カフェインは、コーヒーや紅茶だけに含まれているものではありません。コーラや栄養剤などにも含まれています。
 今、アメリカでは栄養剤を飲んで、体調を壊したり、死亡したりする事件が表面化しています。まだ原因は、はっきりしませんが、どうやらその栄養剤に含まれたカフェインのようです。

 

 

ピーベリー

 ピーベリー。珈琲の豆の一種ですが、産地や品種ではありません。
通常の珈琲豆は珈琲の実の中に2つできます。ちょうど、ラグビーボールを縦に割ったような形の豆が平らな面を合わせています。
 しかし、珈琲の樹の枝の先や、栄養不足になったときに、豆は2つできず、小さなひとつの豆になります。それがピーベリー。
 それほど多くは採れないので、希少品として一般の豆より少し高く流通しています。珈琲愛好家の中には、このピーベリーを好んで選ぶ方もいますが、私は‥まあ、個人の好き好きでしょう。
 下の写真を見ていただくと、ピーベリー(左)の小ささがわかると思います。

    

デカフェ

 デカフェと言う言葉を聞いたことがあるでしょうか?
カフェインレスともいいます。「デカフェ」の「カフェ」はコーヒーではなく、カフェイン。
 ですから、コーヒー以外でもデカフェの紅茶とか、デカフェのコーラとかもあるんです。しかし、一般的にはデカフェと言えば、カフェインを除いたコーヒーのことをさします。
 このデカフェ、欧米では結構需要が多く、コーヒー全体の1割がデカフェとも言われています。
 私も何度か飲んだことはありますが‥‥、ありますが‥なんと言うか、んー、二度と飲みたくないと、いつも思ってました。‥コーヒーじゃない。
 もちろん、カフェインアレルギーなどで、まったく身体がカフェインを受け付けない体質の方にはいいと思います。しかし、デカフェと言ってもカフェイン0%ではないので、アレルギーの方は注意を。(0.2%以下ならデカフェと言えるらしい)
 通常のコーヒーでは1~2%ですから1/5~1/10になっただけ。以前は薬品処理でデカフェを作ってましたが、最近は超臨界二酸化炭素抽出という液体二酸化炭素にすごい圧力をかけて作ると書いてました。

 今回、たまたまデカフェのサンプルをもらいました。コロンビアのデカフェ。
生豆でも色が濃い。焙煎するとさらに濃いっていうか黒い。(写真左がデカフェ、右が通常の豆)
 

 飲んでみると‥コーヒー液の色は、少し薄い感じ‥で‥‥やっぱ、私には‥‥無理みたいですね。

 

コーヒーの日

10月1日。
実は、10月1日はコーヒーの日なんです。
珈琲の栽培が行われている地域は、赤道を挟んで北緯25度から南緯25度の間(コーヒーベルトと呼ばれます)なんですが、この地域は、日本のように四季がありません。特に赤道に近い地域は常夏。
なので、ほとんど季節に関係なく農産物は栽培されています。
こうなると、困ったことに栽培年度が不明確になります。なんせ1年中採れるんですから‥。
で、便宜上、9月30日以前に収穫された珈琲が前年度(2012年度)、10月1日以降に収穫されたものが、今年度(2013年度)となります。
 下の写真は、コーヒー園で、現地の子どもたちと記念撮影しているところ、子どもの顔が険しいのは、お土産のお菓子を「写真撮ってからあげる」とおあずけしているからで、別に虐待しているわけではありません。念のため。

 

グラッツェ

エスプレッソコーヒーのお店グラッツェに行きま
した。
お目当ての美女は不在でしたが、別の美女が。
エスプレッソマシンが不調で、ジュースを。
しかし、氷が品切れで、走って買いに行ってくれました。だから誰もいません。
ドリップでよければ、店番するのですが。そうもいかず…

9.25 珈琲セミナー

 当店では、3ヶ月に1回、珈琲セミナーを開催しています。
 よみうり文化センターの主催です。(なぜそうなったかは、かなり込み入った事情がありますので‥またの機会に someday never come?)

 今回は、9月25日に開催です。午後1時半~と6時半~、当店で。
コーヒーの基礎知識を勉強していただき、後半では実際に淹れていただきます。
せっかく、高い珈琲豆を買っても、淹れ方がよくないと、おいしいコーヒーはできません。また豆の保存も気をつけないと、すぐに劣化し、香りも味も台無しで、身体によくないものになってしまいます。

 約1時間半で学び、実践しておいしいコーヒーを淹れられるようになります。
詳細、申し込みは、073-428-2540 よみうり文化センターまで。定員オーバーの場合はキャンセル待ちになります。また参加者が3人未満の場合は中止します。

グァテマラ SHB

グァテマラ、あるいはガテマラと表記される国、あるいはその国で採れる珈琲豆。
グァテマラは、メキシコの南東で、中米の北端に位置し、東と西を、太平洋と大西洋(カリブ海)に挟まれた国です。
住民の半数以上は、マヤ系の先住民族で、16世紀から18世紀まで、スペインに征服されていました。

 グァテマラ西部に位置するチチメス山の山頂、標高約1500メートルにある地がコーヒー栽培に対する気象環境が優れている点も特筆出来ます。
 適度に降る山岳地帯特有の雨により、土壌には絶えず必要な湿度が維持され、根は充分に養分が送り込まれるようになり、健康的な木々が育成できる環境に加え、寒暖の差が大きく、甘味が増えるようになっています。
また農園主のこだわりから、完全に熟したチェリーだけを収穫するという方法は、40年以上も勤続した農園従事者によって守られ、乾燥までの行程を全て農園内にて管理しており、出来る限りの品質維持に努めています。

 農園の基本的な考えは自然の中でのコーヒーとの共存でありコーヒーを脱穀した殻は、完全に醗酵される状態まで置かれ、若い苗木の肥料としてリサイクルされます。
 豊富な山の水は、自然の傾斜を利用して各行程間の運搬通路にも活用され、段々畑の途中には、12ものパティオ(中庭)を配置することによって、収穫されたチェリー毎の天日乾燥が可能になっているなど、随所に農園の考えが盛り込まれています。
全 てが自然の力によって成り立ち、鮮やかなコクと香りに優れた甘味のあるコーヒーが収穫されます。

SHBは、グァテマラで珈琲のランクでの最上級を示す表記です。