1週間前に珈琲豆を焙煎する前に水洗するか、しないか、についてこのブログに書いたところ、マニアの方たち、珈琲関係者、焙煎職人の方から、ご指摘やご意見をいただいた。
訂正部分
水洗の理由のひとつに、「水で生豆の渋皮をふやかし、焙煎した時に剥がれやすくする。」を挙げましたが、ただしくは渋皮(チャフ)は、洗うときに剥がすのが主な目的で、焙煎時にはがれやすくは、付随する程度の事だそうだ。訂正し、お詫びします。
水洗のいろいろ
水洗の仕方についてもいろいろな方法があると教えていただいた。たしかに書籍やネットでみても千差万別。
軽く流水で流す。ボールに生豆を入れ、水に浸し1回だけ流す。網袋に入れ、流水でゴシゴシ何度も洗い流す。ボールの中で米のように数回研ぐ。水に汚れがなくなるまで数回洗う。‥‥などなど。
同じ水洗派の中でも「しっかり洗わないと汚れが残る」「洗いすぎると焙煎ムラができる」と意見対立もある。
どの世界でも職人と言われる人たちは、プライドが高く、常に自分の方法がベストになる。これはけっして悪いことではない。
珈琲の焙煎でも、自分流を貫き通すから、愛飲家は自分の好みにあった店を安心して選べる。シアトル系の大手コーヒーチェーンが日本全国に店を出しても日本のチェーン店のように真似をしようとせず、頑固に独自性を通した。
水洗についても同じことが言える。職人やプロの頑固さがそこに見える。
なぜ水洗しないのか
水洗しない理由は何か。ホコリや汚れについて言えば、水洗しない人たちの意見は同じだ。「意味がない」つまり、200℃以上の高温で焙煎するのだから、ホコリや汚れは関係なくなる。
また、水洗することのデメリットがある。十分に乾燥させないと焼きムラがでる。完全に乾燥させるには、(自然乾燥では)多湿気候の日本では冬場以外は困難がある。
たぶん、こんなことではないだろうか。また、時間がある時に水洗しての焙煎を行ってみる。
どちらにしても、そのロースターや店の流儀であり、その独自性は尊重されるべきものだと思う。
反論、質問、賛同意見歓迎します。
カテゴリー: 珈琲について
焙煎前の水分添加について? ~ マニアックな話
マニアックな話というのは、興味のある人にとっては、たまらないもので、尊敬されるのだが、興味のない99%の人にとってはウザイだけ。
AKBの全メンバーの名前、誕生日、出身地、好きなものを全部知ってるとか、飛行機のシルエットを見ただけで、メーカー、機種、最高速度、装備、特徴を言えるとか‥‥私たち?99%にとっては、まったくどーーーでもいい事なのですが、マニアにはたまらない情報であり、すごい能力らしい。
今回は、珈琲焙煎に興味のない99%の人には、どーーーでもいい話です。
実は前から気になっていたのですが、珈琲豆を焙煎する前に水で洗うべきかどうかと言う話。 ね!興味のない人には、どーーーでもいい話でしょ。
珈琲の焙煎豆は当然だが、生豆の保存でも、水分は大敵となる。カビや腐敗・腐食の原因になるから。だから輸送途中に水に濡らした豆は通常の販売ルートにはのらない。別ルートで「特価品」になるとか聞いた事がある。
また、特に高級珈琲はリーファー(温湿度管理された)コンテナで輸送される。ここまでくると高級ワイン並の扱いだ。
そこで、ではなぜここまで水分から保護された豆をわざわざ濡らすのか?
水洗の理由
珈琲の焙煎について書かれたいくつかの書籍には、生豆の「水洗」について書かれている。ここで書かれている「水洗」は、前日または焙煎の直前に水で洗うというもの。なぜ洗うかというと主な理由は、?生豆についているホコリを洗い流す。?生豆以外の小不純物(小石、小枝、コンクリート粒など)を取り除く。?水で生豆の渋皮をふやかし、焙煎した時に剥がれやすくする。 の3点です。
しかし?については、ハンドピックでも可能ですし、わざわざ水洗する理由の1つにあげるのは納得できません。ですから?と?が理由となります。
水洗の実験
実際に、焙煎前に水洗してみた。この水洗についても前日の夜に洗って、自然乾燥させたものを焙煎する方法と、焙煎直前に洗い、水分を拭き取っただけで焙煎する方法がある。
前日水洗の場合は、今の季節のように空気が乾燥している時期と梅雨や夏場のように湿度の高い時期では少し異なった結果になった。
乾燥期の場合は、生豆はほとんど水洗前の状態になる。しかし、高湿度の場合はまだ生乾きの感じが残る。
両方を比べた場合、チャフ(渋皮)は、乾燥期より高湿期の方が良く取れる。更に言えば焙煎の直前に水洗したものが一番良く取れる。
もちろん、まったく水洗しないものに比べれば、乾燥期のものの方が明らかによく取れている。
前述の?のホコリについては比較できないが、乾燥させるために時間をかければホコリが時間に比例して多くなると考えるのが普通だろう。
上記の考察から水洗は理由??からは、直前に行うほうがいいと考えられる。
なぜ水洗しないのか
生豆の水洗によって、ホコリが除去でき、チャフ(渋皮)も取れやすくなる。というのなら、焙煎直前に水洗すべきだ。
では、なぜ多くの焙煎業者やロースターは、それを行わないのか。
もちろん、大量の豆を焙煎する業者では、水洗・拭き取りという2工程が入るだけでも、人件費や設備投資でロスがでる。珈琲がまだ香味のクオリティで判断されておらず(徐々に変わりつつあるが)、産地や農園だけで判断される現状では、2工程にかける費用はムダと受け取られるのも無理はない。直接、消費者に少量販売しているロースターでも同じことは言える。
しかし、それだけが、水洗しない理由なのか。
(続く 次回未定)
アランチャとハシゴ
リベンジ じゃなくて、リトライ
ショコラ
ある珈琲業者によると、今月の企画珈琲豆は「ブラジル ショコラ」だそうです。
サンプル頂きました。↓
で、なぜ今月の企画は「ショコラ」なのか。察しのいい方はもうお分かりですね。バレンタインデーです。ショコラ(チョコレート)でバレンタインデー。なるほどね。
しかし、そんな名前がつくほど甘い珈琲なのか?サンプルを飲んでみることに‥ ん?あ、そうだサンプルロースター貸し出したままだ。
では、久々に手焙煎で。
おお!見よこの目にも止まらぬ焙煎技↓
遠赤外線で‥と火から遠ざけすぎて、なかなか焙煎できない。腕が疲れてきた。まだ、十分焙煎できてないけど、疲れたので途中で焙煎ヤメ。
お、さすが焙煎したて、よく膨らむ↓
では、試飲。んーーー。やっぱまだ焙煎足らない。酸味強すぎ。
ブラジル ショコラ11/12クロップ
サントアントニオ エステートコーヒー生産組合の20農園で栽培された、地域特有の風味、甘みをもつロットをブレンドし、スクリーン17up。
カフェドベル
青い鳥 (チーズ臭3)
幸せを求めて青い鳥を探しに行ったが、なかなか見つからず結局は帰り着いた自宅に青い鳥はいた。
昨年からの宿題で「珈琲のチーズ臭」という、やっかいな課題が残っていた。いろいろな珈琲関係者に聞きまわり、時には笑われ、時には心配され、時には呆れられてきたが‥ 長かったなぁ。うーん涙なしには語れないなぁ。
昨夜、ある珈琲業者さんから「珈琲のチーズ臭について書かれた文書がネットにあった」と教えていただいた。
そして、その文書を書かれた方を知ってびっくり。和歌山市の方だった。
なんと、日本中(?)、そして世界中(???)探し回り、捜し求めていたものは地元にあったのだ。
怒られるかも知れないけど、勝手に抜粋 ゴメンナサイ!今度正式に挨拶とお詫びに行きます!
※大文字太字は私がしました。興味のない方は太字部分のみ、見てください。
(以下抜粋)
幾つかの重要なコーヒーの香気成分として、以下の香気成分が知られています。
☆βーダマセリン
バラやコーヒーの香気成分の一つ。蜂蜜のような香り。フルーティーな香り。強いローズの香りを持っています。フルーティー。
☆2-フリフリルチオール≪フリフルメルカプタン≫
硫黄化合物のチオール類に属しています。コーヒーの少し焦げたような香ばしい香りの一つ。コーヒーのロースト香に寄与している成分。ロースティ。
☆3-メチル-2-ブデン-1-チオール
焙煎コーヒー豆のロースト香に寄与する成分。動物的なニオイ。
☆2-イソプチル-3-メトラキシピラジン
土のようなニオイ。ピーマンなどに特有の土臭いニオイ。ゆでたソラ豆や枝豆の柔らかくてピントがずれたような青臭臭。
☆5-エチル-4-ヒドロキシ-2-メチル-3(2H)-フラノン≪ホモフラネオール≫
カラメル様の甘い香りを持っています。醤油や味噌の重要な香気成分。
☆グアイアコール≪グアイヤコール≫
焦げたような煙のニオイ。焙煎したコーヒー豆に含まれるニオイ。スパイシーな香ばしさ。
バニラの香りの主要な成分バニリンは、グアイアコールを合成して作ります。
バニラの香りと焦げたような香りは隣り合わせなのかもしれません。
☆2-3-ブタンジオン≪ジアセチル≫
コーヒーの焙煎では、炭水化物の分解によって生成する。
バターのような、チーズのようなニオイを持っています。パンなどを焼いた時に出る香り。
☆2-3-ペンタンジオン
ジアセチルと同じで、バターのような、チーズのようなニオイを持っていますが、揮発性が低いのでニオイも弱くなります。
☆メチオナール
ジャガイモやサツマイモ、和栗の香気成分。
☆2-イソプロピル-3-メトキシピラジン
ピーマンなどに特有の香りを持っています。土のような、ロースト香。
☆バニリン
バニラの香りの主要な成分。
☆4-ヒドロキシ-2.5-ジメチル-3(2H)-フラノン≪フラネオール≫
カラメルのような、香ばしくて甘い香り。熟したパイナップルやストロベリーの香り。
☆2-エチル-3.5-ジメチルピラジン
アーモンドのような加熱香気。食品中に天然に存在しているか、または加熱により生成する。
☆3-ヒドロキシ-4.5-ジメチル-2(5H)-フラノン≪ソトロン≫
低濃度なら、メープルシロップやキャラメル、焦がした砂糖のようなニオイがします。
カレー、シチュー、ハヤシなどに添加すると、熟成感(コク)のある風味を作る。
☆4-エチルグアイアコール
高濃度なら燻煙のニオイ、低濃度ならスパイスや穀類を連想する香り。
燻製や香辛料を連想するニオイ。
☆5-エチル-3-ヒドロキシ-4-メチル-2(5H)-フラノン
メープルシロップやキャラメル、焦がした砂糖のようなニオイがします。
カレー、シチュー、ハヤシなどに添加すると、熟成感(コク)のある香味を作る。
(引用終わり)
見ました?この細かなそして科学的なデリケートな分析。
そして、太字部分。ありましたチーズ臭。ああ、長かった。ああ、わが人生に悔いなし。
いや、フィージーで1週間泳いで、スイスで2週間スキーして…から