終末論 2012

 終末論。いろいろな宗教で使われる「最後の日」「審判の日」。
もちろん、人類最後の日は、いつかかならず来る。しかし、それは「神」が決めるものではないだろう。もちろん「予言」されるものでもない。
 しかし、最近よく聞く終末論は、ちょっと「科学」的?根拠をもっていると言われるものがあり、なぜか2012年らしい。あ、今年だ。
 1つは「フォトン・ベルト」に太陽系が2012年12月22日に突入するというもの。なるほど、本当なら科学的だ。しかし、フォトン・ベルトってなんだ?1949年にポール・オットー・ヘッセ氏が言い出したらしい。が、このポール氏はなんとオカルト研究者。これを1981年にシャリー・ケンプという大学生がUFO研究雑誌に投稿し、オーストラリアのオカルト雑誌「ネクサス」が取り上げて、ネットで世界中に広まり、どんどん話が大きくなったらしい。
※フォトンベルトは実在しない。
 2つ目は、マヤ暦の終焉。まず、なんで暦が終わるのか?昭和や平成が終わるというのならわかるけど、西暦は終わらない。数字は無限に続く。マヤ暦も終わらないのでは?
 調べてみると、マヤ暦は394年を1バクトゥンという単位で繰りかえしている。今年がその13回めの最終年らしい。ところがマヤ神話には、終末が今年と書いてはない。14回目はまた始まるだろう。
 マヤ暦の13バクトゥンの最終日が今年の12月22日。フォトン・ベルトと同じだが、これはフォトン・ベルトがこれに合わせたらしい。
 3つ目は、惑星二ビルの地球接近。この説を唱えるゼガリア・シッチン氏は、なんと地球人に文明を教えたのは、この二ビル星人?と言ってる。で、ゼガリア氏は当初、二ビルの接近は3400年と言っていた。ところが、最近になって2012年12月に変わった。これもマヤ暦便乗だな。
※二ビルも存在しない
 4つ目は、太陽活動の異常活発。これも根拠はない。同じく2012年。 他にもあるらしい。
 
 昔、ノストラダムスの大予言というのが取り上げられ、これを終末論として多くの人が信じたけど、これが正しければ1999年7月に人類は滅びてる。他にも「科学」や予言を装って終末論を唱えて例はたくさんある。1925年2月13日大天使のお告げで、1960年7月14日アメリカの秘密爆弾の爆発で、1967年12月25日教祖の予言で…すべて外れているから、今日もビールが飲める。
 昨年の東日本大震災や原発放射線もれなどで、心理的に終末論を受け入れやすくなっているのだろうか。背景には「霊界」などをテレビで取り上げて、「予知」「予言」「預言(神から預かった言葉)」などをもてはやす風潮もあるからな。
たしかに地震や災害は今年も起こるだろうけど、だから終末とはならないと思う。
それより、原発事故の方がよっぽど怖い。「100年安心の年金」と言ってた政治家が未だに政界にいるのも、予言より理解しにくいが…。