高校(のクラス)も大学も理系だったので、色気がなかった。
最近は違うらしいが、昔はクラスに女子が少なかった。いてもメガネをかけて、オシャレより微分方程式の方が好きな子が多かった。
当然、男どもも演劇や絵画より、DNAの螺旋模型や周期表を美しいと感じるオタクが多かった。
唯一、図書館に飾ってあったフェルメールの絵は、彼ら彼女らが、立ち止まって見とれる「美しい」作品だった。実はダビンチの絵もそうだった。
ダビンチは芸術家ではあるが、科学者であり技術家だったから、それが絵に反映されているという(たとえば解剖によって骨格や筋肉の仕組みを理解した上で人物画を書いた)点でDNAや周期表と同じような合理的な美しさを感じるのだろうと自分なりに理解していた。
だから彼らは(私も)ゴッホやセザンヌの良さはわからない。
フェルメールについては、なぜだろうと思いつつ、今週まで忘れ去っていた。
偶然図書館で見かけた本「フェルメール光の王国」に昨日、出会うまで。
なんと福岡伸一著だ。ここ数年は彼に(と言っても一方的に)縁がある。まだ途中までしか読んでないが、最初のページを見てびっくりした。アインシュタインが登場する。
フェルメールとアインシュタインにどんな共通点が?
曰く「アインシュタインの先立つ300年近く前、すでに光が粒子であることを‥(中略)彼は光の粒子性に気づき、光の粒立ちを正確にキャンパスの上に捉えた」すごい。
とりあえず、読み進めよう。