太陽を盗んだ男

 本を読み飽きたので、ワインを飲みながらテレビをつけると、ケーブルテレビで、30年くらい前の映画「太陽を盗んだ男」をやってた。 
 高校教師が、原子力発電所から、いとも簡単にプルトニウムを盗み出し、アパートのキッチンで原爆をつくり、国会議事堂のトイレに。
 しかし、原爆の製造過程でペットの猫が被爆して死に、自分も被爆し…。
 主人公の「プルトニウムさえあれば、誰でも原爆は作れる」の言葉通り、アパートの一室で原爆が作られる工程が具体的に描かれる。
 沢田研二、菅原文太、水谷豊…と豪華キャスト。
 沢田研二のとぼけた演技がいい。

 

台風とセミナー

台風でした。
和歌山県の南部を通り過ぎ、東海地方へ。
昨年の台風で大きな被害を被った県南部の被害が心配です。
セミナーは昼の部は予定通り、夜の部は念のため中止にしました。
強い風雨の中、セミナーに参加していただいた皆さんに感謝。

「雨」

 今日は、朝からズート雨。時に激しく、時に小降りに。しかし途切れることはない。
 多少の雨は嫌いではないし、潤いを与えてくれる雨はむしろ好きなんだけど‥。
 しかし、ここまで降り続くと、ちょっとグッタリ。そして湿気がすごい。こんな雨が降り続いて湿度が高いと、体調も精神もフニャフニャに湿気を含んでカビが生えそう。
 で、思い出したのが、モームの短編「雨」。
 熱帯のホテル、長雨で、何日も足止めされた観光客たち。その中に誰からも尊敬される敬虔な神父。そして、みんなから蔑まれる娼婦。
 神父は時間をかけて娼婦を説得し、神の教えを説き、救い出そうとする。しかし、熱帯の長雨が続く中‥。キリスト教文化圏で、この作品を発表したモームの勇気に敬服する。

 

ペニー・ガム

 20世紀初頭のアメリカの生物学者シェーンハイマーが、充分な実験や検証なしに研究の結論を出す学者を批判し「ペニー・ガム」思考と呼んだ。
 これは、当時出始めたガムの自動販売機のことをさしている。ペニー硬貨を入れるとガムが出てくる。これをみて当時の人々の一部は、入れたペニー硬貨が機械の中で変質してガムになって出てくると信じていた。
 充分な検証をしなくて、現象面だけで「ペニーがガムになる」と信じるのは愚かだ。シェーンハイマーに批判された不勉強な学者は彼の前に出られなくなった。
 しかし、現在でも「ペニー・ガム」思考は残っている。日本とアジアの一部の国では今でも血液型占いが信じられているし、霊の存在を信じている人も多い。自分の理解できないことは、霊のせいにしてしまう。
 国家レベルでも、原発の安全神話はずっと信じられて来たし、福島原発の事故の検証もないまま、再稼働しようとしている。
 消費税を上げれば、税収があがり財政危機が回避できるとも信じられている。消費税が3%から5%に上がったときに税収が減ったことの検証もないまま。
 政府やマスコミの言うことを鵜呑みにして思考停止すれば、ペニーがガムに変わると信じていたのと同じ間違いを犯す。

Bounty hunter

賞金1000万円。
 昨日の話題は、高橋容疑者。いや、実際は1000万円か。
 「中年男性とすれ違うときは、必ず顔を凝視する」「挙動不審の人物は後をつける」「後ろから高橋さんと声を書ける」とたくましい賞金稼ぎのオバさ‥オ、お姉さんたち。
 相手が、変な人だったら、刺されますよ。とアドバイスしたが、1000万円の魅力は強いようだった。
 しかし、今日あっけなく逮捕。全国の賞金稼ぎは、変身前の主婦やサラリーマンに戻ったんだろうな。
 で、賞金は誰の手に‥?

      

暑い

 もう、毎日暑いのです。
店では朝から、エアコンをつけてます。ほんと、非効率。焙煎機で温めて、エアコンで冷やす。しかし、焙煎機で温まる。
 焙煎機を動かし、熱する電気と店内を冷やすエアコンの電気。無駄だな。焙煎機停めようか。でも、商売にならんなぁ。
 夏は嫌だなぁ。

フェイバレットカフェとアロマプレスパック

 昨日の定休日、パティシエ君と店内で食事をしていて、岩出のフェイバレットカフェの話になった。彼はケーキが、私はコーヒーの保存袋が(何で袋?)気になって行くことに。
 男2人でケーキセットを‥。パウンドケーキのキメの細かさに感心。ジェラードも、やはり素人の手作りレベルではない。‥らしい。
 と、マスターがわざわざテーブルまで挨拶にきてくれた。この丁寧さは見習いたい。と言いつつ1時間でいつも忘れる。
 私が気になったコーヒーの保存袋が、カウンターにあったので見せていただく。おお、 ニコノスのアロマプレスパックだ。
 そうパティシエ君と昼、コーヒーの品質をなるべく下げない保存袋の話をしていて、真空パックの問題点とともに、アロマプレスパックが最適だろうと言っていた。
 で、ウチの他に、和歌山でアロマプレスパックを使っている店があるか‥と考えて、もしかしたらと頭に浮かんだのがフェィバレットカフェだった。
 会計を済ませて帰ろうとしたら、オーナーの奥さんが、丁寧に挨拶してくれた。この丁寧さは見習いたい。と言いつつ1時間でいつも忘れる。学習能力ないなぁ。
 
※アロマプレスパック  珈琲豆は焙煎すると数日間、二酸化炭素を出し続ける。また、空気中の水分や酸素を吸い込み劣化しやすくなる。そのため、袋内の空気(二酸化炭素)を外にだすが、外部の空気(酸素や水蒸気など)を中に入れない工夫がいる。それを実現できるのが、ニコノスのアロマプレスパック。

  

 

インドネシア カロシ シーズン2

(前回からの続き)2度焼きとは、焙煎した珈琲豆をもう一度、焙煎すること。
伝統的な珈琲焙煎職人からは、忌み嫌われ、タブーとされる焙煎方法だ。
 しかし、私はタブーを恐れない男。だから挑戦した。(本当は、これしかなかったから‥トホホ)
 さて、昨日2度焼きした、インドネシア カロシ。うん、いい色に仕上がってる。早速、挽いて‥あれ?香りが‥‥薄い。そうそう、これが2度焼きがタブーとされる理由のひとつ。香りがうすくなる。そうだ落ち着け、セオリーどおりだ。想定内!と自分に言い聞かせる。
 で、味は‥‥‥うん、トラジャとは‥やっぱ‥ちょっと違う。同じ、和歌山県でも和歌山市内と高野山と白浜のサファリパークでは、雰囲気がちょっと違うのと同じか。
 でも、鼻に抜ける独特の香りは‥‥ちょっと違うか?いや、まあ誤差の範囲?
 やはり、もう一度、焙煎からやり直して確かめたほうがいいな。と言う訳で、シーズン3に続く。

      

 

絶滅危惧種

 人類が地球上で生態系の頂点として君臨し始めて、大きく地球環境は変化し始めた。特に18世紀後半の産業革命以降は、大気・水質・土壌汚染、森林伐採、資源採掘によって、多くの絶滅危惧種を生んだ。

 実は、私も今日改めて絶滅危惧種に接近した。
 当店に来られた若い女性3人。どうやら大学生?まあ、お客さんの平均年齢が40歳を超える当店では珍しい。
 しかし、なにか違和感が‥。なんだろう?と思いつつ、私は仕事に打ち込むまじめな珈琲職人。
 ‥と、すぐにその3人の年齢を合計したくらいのオバさ‥オバ‥オォ‥お姉さまが(ああ、危なかった)、2人来店。
 そして、その時、さっき感じた違和感が実感に変わった。後で来られたお2人は、2人とも茶髪。若い女性3人はみんな黒髪だった。
 若い女性(若くない女性も)のほとんどが、髪の毛を茶色などに染めている昨今、黒髪の若い女性が3人も。これは、すぐに環境省に連絡を取って保護を要請しなくては‥。
 今や日本だけでなく、アジア諸国でも髪の毛を染める女性が多い。戦後、アメリカ発の映画やテレビドラマ、人形まで使ってアメリカ基準の「美人」が輸出され、それが浸透し、各国の伝統的な「美」の基準まで変えられた。
 美人は、肌が白く、金髪で、二重まぶたで鼻が高く、面長で痩せ型のグラマー。肌の色はなかなか変えられないが(変えた人もいたけど)、髪の色は簡単に変えられる。まぶたや鼻は金と勇気が必要。やせるのはダイエットか。簡単な「美人」変身は髪の色を変えることなんだな。
 しかし、それで大多数の若い女性が(男性も)髪の毛を染めるのは、どうなんだろう?
 今日は、絶滅が危惧される若い女性3人を迎えられた。ポリシーを捨てないで‥。

 

インドネシア カロシ

 トラジャが当面入らないとのことなので、代替のインドネシア カロシの試飲を。
 生豆は、見た感じトラジャには程遠い。マンデリンのようにちょっと雑。豆の大きさも大中小‥オイオイ。
 焙煎してみると、当然の結果ではあるが、ムラが‥。うーん大丈夫か?しかし、人は見た目で判断してはいけない。(人ではないが‥)
 すべての先入観を捨てて、ちゃんと試飲用のスプーンで飲んでみる。えー?やっぱトラジャとはだいぶ違う。どちらかというと中南米系のソフトで少し酸味を感じさせる味。でも、これはこれでいいかも。
 いやいや、代替になるかどうかが大事なので、焙煎もう少し強くして再チャレンジしてみよう。

 ん?あれ? し、し、しまった! サンプル全部焙煎してしまったんだ。
 ああ、この世には神も仏もないのか! いや、私はもともと無神論者だったし、これは完全に自分のミスだ。
 こうなったら、しかたがない。一子相伝の必殺技を使うしかない。しかし、これはあまりにも危険だ。
 いいのか。と自分に改めて問う。‥‥いいです。簡単に答えはでる。
 そう、二度焼きをやる。
 結果は‥次回のお楽しみ。